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不安の増大

1960年代から1980年代にかけて、多くの西欧諸国で原発性不妊症が増加しました。これは、卵管閉塞を引き起こす骨盤内炎症性疾患が女性に増えてきたためと広く信じられています。

1980年代には原発性不妊症になるカップルの割合は比較的落ち着きましたが、生殖年齢に達する女性の数が増えていたのです。これは、1980年代の終わりにはその約10年前に比べて不妊カップルの実数がかなり増えていたことを意味します。

過去20~30年の間に、西欧諸国の出生率は大幅に低下しました。出生率低下の一因として、社会的な要因によりカップルが子どもをもうけるのを遅らせる、あるいは断念したことがあります。そして子どもの数が少なくなり、子どもをもうけるのが遅れる傾向が生じました。

女性の受胎能力は35歳頃を過ぎると急激に低下しはじめますが、このことは、以下の図に明確に示されています。累積妊娠率とは、妊娠を希望した女性のうち1年間に妊娠に達した割合を言います。



累積妊娠率に対する年齢の影響



妊娠可能性は年齢とともに低下するという事実にもかかわらず、35歳を超えて初めて出産する女性の数は、最近の十数年間で2倍以上になりました。その理由は主に以下の2点にあるようです。
  • 仕事やその他の要因により、女性が出産を遅らせている
  • 35~49歳の女性の人口が増えている
原発性不妊症カップルの約半数、そして続発性不妊症カップルの5分の1が医学的治療を受けていると考えられています。不妊症の検査と治療に対する需要は大幅に増加し、それに伴って不妊専門クリニックやカウンセリングの開業も増えてきました。

この結果、専門医の知識、技能、支援などを利用できる可能性が広がり、不安な状態にある不妊のカップルを確実に支援する体制が整ってきています。



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日本語監修:埼玉医科大学 産婦人科 石原 理 教授
最終更新: 18/04/2009


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