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環境およびライフスタイル
職場環境
この15年間で、生殖機能の障害となるいくつかの環境中の有害物質が職場において確認されてきました。様々な殺虫剤、塗料、印刷インクおよび接着剤に使用されている化学物質の一部、また、鉛、カドミウム、水銀などの金属は、生殖能力に悪影響を与えます。まだ少数の報告しかありませんが、ヒトは他の動物に比べ、精上皮の毒物に対する抵抗力が弱いようです。生殖器系は、特に発達段階では傷害を受けやすい状態にあります。近年、過去50年間の先進国の男性における精子の異常および‘正常,精子の数の大幅な減少が、環境中の有害物質が持つエストロゲン作用による可能性が注目されています。
視床下部からの性腺刺激ホルモン放出ホルモンのパルス状分泌は、性腺の機能をコントロールします。一方でこのパルスは、多くのホルモンによる、また代謝産物および神経支配により影響を受けます。そのため、ストレス、栄養不良、社会的経済的問題、心理的問題、薬物などは生殖機能の開始と維持に影響します。
ライフスタイル因子
喫煙は、精子形成に軽度ながら悪影響を与えることが確認されています。たとえば精索静脈瘤の男性では喫煙が不妊の原因になる可能性があります。男性の生殖能力に対するアルコールの影響は明らかではありませんが、アルコール依存症は生殖能力を明らかに低下させます。
マリファナ、タンパク同化ステロイドおよびコカインなどの薬物は精子数に影響することがあります。生殖に対するマリファナの影響は十分に確認されています。マリファナを長期間常用している場合では、非使用者に比べ確実に精子数が減少し、また、テストステロン濃度の低下、精子の運動能の低下、精子の形成異常などの傾向が見られます。同様にコカインの常用も、テストステロン濃度の低下と精子形成異常、さらに性欲の低下を引き起こす可能性があります。タンパク同化ステロイドは精子形成能を大きく低下させることがあります。時としてこの影響は回復不能なものとなります。
熱い湯への入浴やサウナなどのように過度な高温により精子数が減少する可能性があります。なぜなら精巣は、通常、体温よりも約1℃低く保たれているからです。ウイルス感染時の高熱も、一時的な精子減少を引き起こすことがあります。
潤滑剤
性交時に膣の潤滑剤として用いるゼリーやクリームなどの中には、精子の質に影響する製品があることが示されています。妊娠を希望する場合には、安全に使用できる潤滑剤について医師にお尋ね下さい。
服薬
一般的に胃潰瘍や高血圧の治療薬など、いくつかの薬剤は男性の精子数と性欲に影響する可能性があります。
頻用される薬剤の生殖能力に対する影響は、実はよく分かっていません。最近まで、薬剤の人の性腺に対する影響の評価は安全性試験に含まれていませんでした。有害性が認識されるまで広く用いられていた薬剤で、偶然に精液の質的低下が見つかった事例があります。たとえば、炎症性腸疾患の治療に用いられるスルファサラジンは、精液の質を大幅に低下させます。この薬剤が適度な用量で限られた期間使用されるならば、その影響は可逆性ですが、長期に使用すると精子形成が永久に損なわれる可能性があります。
運動選手やボディビルダーが隠れて使用することのあるタンパク同化ステロイドには、無精子症や精子減少症など、生殖能力に対する重度の副作用があります。
癌および自己免疫疾患の治療に用いられる多くの細胞毒性の強い薬剤は、作用で癌細胞などの急速に分裂している細胞を選択的に死滅させますが、選択される細胞には生殖細胞も含まれるため性腺の機能が損なわれる可能性があります。精子の形成には、急速で継続的な細胞分裂が必要であるため、細胞毒性作用の強い薬剤は、多くの場合、女性よりも男性に大きな影響を与えます。
処方薬ならびに市販薬の服用については、医師と十分にご相談下さい。
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