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排卵

配偶子である卵子は、女性の基本的な生殖器官である卵巣によって生み出されます。卵巣から放出された卵子は、卵管により輸送および保護されています。卵管は受精後には胚に栄養補給し、また保護します。

卵巣
  
卵巣は、女性生殖器系の1つで、成熟した卵細胞すなわち卵子を産生して放出する役割があります。女性の体内には2つの卵巣があり、それぞれが子宮の両側に位置しています。卵巣は結節様の腺組織で、思春期を過ぎると表面が凹凸不定で、大きさも形も大きなアーモンドに似てきます。卵巣の表面は上皮組織で覆われています。卵巣上皮の下では、間質と呼ばれる結合組織に微細な卵胞が多数埋め込まれています。各卵胞の中には卵子が含まれていて、思春期以降には様々な発育段階が見られます。 

卵巣には次のような2つのおもな機能があります。 


  • 卵子を作り原始卵胞と呼ばれる小さな球状の容器に貯蔵します。
  • 女性ホルモンのエストロゲン(おもにエストラジオール)とプロゲステロンを放出する内分泌腺として働きます。
卵管

卵管は、子宮から伸びて、指のような突起物である卵管采までの長さ約10 cmの2本の管からななります。卵管采は卵巣の上に‘浮遊,した状態にあり、卵巣に接してはいません。

排卵時には、卵巣から放出された成熟卵子を卵管采が受け取ります。卵管の内部は複雑な環境になっています。卵子は卵管内に2~3日間留まります。受精は、図の様に、通常は卵管の一番遠い端で起こります。 

  

受精が起こると、胚は卵管内で細胞の小さな塊である胚盤胞にまで発育します。その後、卵管壁のリズミカルな収縮(腸管筋肉の蠕動運動に似ています)と繊毛と呼ばれる小さな毛のような突起物の働きにより、卵管の中を進んでいきます。胚は子宮に向かって進み、子宮に着床すると妊娠が成立します。

子宮

子宮は洋梨型の器官で、女性の生殖年齢の間に大きな変化を遂げる能力を持っています。思春期から閉経までの期間、子宮の内面(子宮内膜)は妊娠のための胚の着床と発育に最適な環境を提供します。月経周期の前半の増殖期に子宮内膜は次第に厚くなります。排卵後には卵巣から放出されたホルモンに刺激され、分泌腺を形成します。

卵子が受精しなかったときあるいは着床が起こらなかったときには、子宮内膜は剥がれ落ちて月経として膣から体外へ排出され、次の月経周期中にゆっくりと置換されます。分娩の際には子宮は強力でリズミカルな収縮を起こし、胎児を娩出させます。

子宮は次の2つの主要部分からなります。 
  • 子宮体部と呼ばれる上部の膨らんだ部分
  • 子宮頸部と呼ばれる下部の狭い部分
子宮体部の上部は子宮底と呼ばれます。子宮底の両方の卵管角に卵管が開口し、子宮頸部は膣に向かって開口しています。子宮頸部は円柱のような構造をしていて、膣の上端から子宮の内部へと連絡しています。長さは約2.5 cmで、それぞれ内子宮口と外子宮口と呼ばれる両端の開口部の間を細い管が通っています。子宮頸部の内壁にはアルカリ性の粘液を分泌する頸管腺と呼ばれる小さな袋があり、この粘液が酸性の膣分泌物から精子を保護します。頸管腺の腺窩には精子を蓄えておく働きもあります。

子宮の壁には次の3つの層があります。
  • 内面の子宮内膜
  • 中間の筋肉層の子宮筋層
  • 外側の漿膜層の腹膜
漿膜は水様の漿液を分泌し、子宮と周囲の器官との摩擦を防ぎます。子宮の構造の断面図を示します。





膣は、子宮頸部から体外への開口部までの管状の器官で、後部にある直腸と、前部にある膀胱および尿道の間に位置しています。主として内側が粘膜で覆われた平滑筋からなり、男性から精液を受け取る働きをします。この部分は産道の下部にもなり、子宮分泌物と月経血の排出も行います。. 



外陰部 

外陰部は膣の開口部周囲の外部女性生殖器および外分泌器官から構成されています。 

外陰部の構造には次のものが含まれます。 
  • 恥丘。骨盤関節の上にある皮膚で覆われた脂肪パッドで、成人女性では密集した毛で覆われています。
  • クリトリス(陰核)。男性の陰茎に似た勃起性構造物。
  • 小陰唇。脂肪組織からなり、膣の開口部を囲んでいます。
  • 大陰唇。毛包および汗腺と脂腺を含んでいます。小陰唇近くの大陰唇の内表面は変化していて、この部分は湿っていて毛包がありません。
  • バルトリン腺。膣開口部の両側にある2つの豆粒状の腺で、潤滑液を分泌します。
乳房 

乳房には乳汁分泌腺が含まれ、新生児に栄養を与えます。出産後、下垂体から分泌されるプロラクチンにより、乳汁の産生を開始し、維持します。乳房は初経からかなりの期間を経るまで完全には発育しません。乳房は子供や男性にも存在しますが、痕跡的な形でしかありません。

女性生殖器系の概略 

女性生殖期系の器官
器官性状機能
子宮 洋梨型の空洞で、子宮底、内部の子宮内膜組織、そして下部の子宮頸部からなる。 胚が着床して発育する部位。分娩時には筋肉収縮を起こして胎児を娩出する。
卵巣 骨盤腔の両側に位置する2つのアーモンド型の器官。基本的な生殖器である。 卵子を生産して貯蔵する。エストロゲンとプロゲステロンを合成して放出する。
卵管 子宮から伸びて、卵巣上に浮遊して接着することのない指状の卵管采まで。卵子が卵巣から子宮へと通過していく。受精部位。
身体の外部から子宮頸部までをつなぐ。産道の下部として働く。
男性からの精子を受け取る部位。
外陰部外部生殖器(陰核やや陰唇など)の総称。膣への開口部を潤滑しとりまく部分。


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日本語監修:埼玉医科大学 産婦人科 石原 理 教授
最終更新: 18/04/2009


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