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 体験談

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アンナとピート(オーストラリア)
2章:子どもができなかったら…?
「知り合いの体外受精の専門医を紹介しましょう。彼は素晴らしい医師ですよ」なんていままで聞いたことのない言葉でした。だから私は、その言葉を信用してしまいました。私が初めて診察を受けたのはドクターXでしたが、このドクターとはまったく心が通い合いませんでした。彼は異常に事務的で、冷たく感じられる人でした。私は彼との会話の中で、個人的な話はおろか犬の話題すら持ち出すことができませんでした。診察のあとはすっかり自信をなくし、落ち込んでしまいました。体外受精の専門医がみんなドクターXのような人ならば、私は絶対妊娠なんてできないと感じました。
その後、別の専門医を見つけました。この人は素晴らしい医師でしたが、極端に現実的な人でした。「体外受精は役に立ちますが、誰にでも有効というわけではありません」と言うのです。私はこの時、「これが私たちに効かなかったらどうしよう、このまま子どもを持てなかったらどうしよう」と考えずにはいられませんでした。後で知ったのですが、体外受精の過程に精神科医の診察がありました。彼女は、まず私たちにどんな気持ちか尋ねてきました。そして現実を見つめ、子どものいない生活でも充実したものにすることができるということを覚えておくようにと、何度も言っていました。私はこの時点で彼女の言うことに関心が持てなくなりました。彼女が話を続けていたあいだ、私は「この人にはきっと子どもがいるわ」ということしか考えられませんでした。そうです、彼女には子どもがいたから、あんなに前向きでいられたのです。
私の友人たちも似たようなものでした。善意にあふれているように思われた言葉も、今考えてみるとすべて絵空事でした。「アンナ、バカなことは考えないで。あなたにも赤ちゃんができるに決まっているわ」 どうしてそんなことがわかるのかしら? 辛抱していれば、そのうち妊娠できると誰もが言うけれど、でも、私は妊娠しなかったじゃない、そうでしょう? 彼ら自身が無力であることをごまかすような無意味な言葉を、どうして私が信じなきゃいけないの? このまま子どもを授からなかったらどうなるの?

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