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多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は、生殖年齢の女性で最もしばしば見られる卵巣機能障害の原因と考えられています。そのため、極めて重要な不妊原因であるため、ここでも少し詳細に述べていきます。
多嚢胞性卵巣疾患は、卵巣が腫大した状態で、その表面はなめらかですが正常より厚くなっています。たくさんの小さな嚢胞が表面にあり、この嚢胞そのものは無害ですが、不妊の原因となる無月経や稀発月経となる可能性があります。
*このサイトはFertility.comを日本語向けに訳したサイトです。以下「臨床的特徴」「多嚢胞性卵巣疾患の徴候と症状」は日本の実情と異なりますことを予めご了承ください。
注:日本での診断基準では月経異常、LHの基礎分泌値高値、超音波断層法で多数の卵胞の表胞状変化があることを必須項目としています。
臨床的特徴
PCOSの診断基準は、超音波診断で多嚢胞性の卵巣が見られることです。この所見には様々な他の症状や徴候を伴うことがありますが、特徴は高アンドロゲン血症です。他の検査では、血清LH(黄体形成ホルモン)濃度が通常10
IU/L以上に上昇し、血清テストステロンも上昇する場合もあります。
多嚢胞性卵巣疾患の徴候と症状:- LH濃度の上昇(血清LH>10 IU/L)
- 低~正常なFSH濃度(正常な場合でも、おそらく正常な卵胞の発育に必要な域値には達していない)
- LH/FSH比の上昇(>2:1または3:1)
- アンドロゲン/テストステロン濃度の上昇
- 腫大した多嚢胞性卵巣
- 複数の未成熟卵胞(通常2~8 mm)
- 1卵巣あたり10個の卵胞
- 月経不順および無排卵
- 多毛症およびにきび(過剰なアンドロゲンによる)
- 肥満
多嚢胞性卵巣疾患には、男性型多毛症や肥満などアンドロゲン性の徴候が伴いますが、診断に必須なものではありません。また、脂漏症もよく見られる特徴です。
多嚢胞性卵巣疾患と受胎能力
ごく軽度
の多嚢胞性卵巣症候群の女性では、月経異常は見られず排卵も正常な場合がありますが、普通よりも妊娠するまでに時間がかかることが多く、自然流産の危険性も高くなります。
中等度 の多嚢胞性卵巣疾患では、稀発月経や続発性無月経などの月経不順と無排卵が見られます。
重度
の多嚢胞性卵巣疾患は、肥満、男性型多毛症、無月経とその結果としての不妊を特徴とします。
多嚢胞性卵巣症候群の治療管理
多嚢胞性卵巣疾患の治療管理法は、その女性が妊娠を希望しているか否かによって異なります。時には、体重減少などの簡単な方法で排卵周期が戻ることもあります。
妊娠を希望しない女性の場合、治療は対症療法になります。月経不順の治療のために経口避妊薬が投与され、多毛症やにきびの患者にはエストロゲン製剤や酢酸シプロテロンなどの抗アンドロゲン剤が使われます。
妊娠を希望する女性の治療には、通常、クエン酸クロミフェン(「女性の治療」参照)が50~100
mg/日の用量で5日間使われます。これにより70%の女性で排卵を伴った月経が回復し、30%は治療開始から3カ月以内に妊娠します。しかしながら、妊娠率が低いことがあります。
クロミフェンを6カ月間投薬しても受精が認められない場合には、試験的に性腺刺激ホルモン療法を行うこともあります。黄体形成ホルモン分泌を低下させて流産の危険性を低減するために性腺刺激ホルモン放出ホルモンアナログを併用することもあります。多嚢胞性卵巣症候群の患者は卵巣過剰刺激症候群を非常に発症しやすく、また周期の異なった時期によっては同用量の性腺刺激ホルモンの投薬に対して全く異なる反応が生じる可能性があるため、ホルモン療法には細心の注意が必要です。
ホルモン療法において、ヒト閉経期尿性ゴナドトロピン製剤(hMG)のように不純物を含む抽出物よりも純粋な卵胞刺激ホルモン製剤を使う方が、一定した反応を得ることができます。卵巣の過剰刺激を引き起こさずに単一排卵をおこすためには、性腺刺激ホルモンの用量をできるだけ正確に調整できることが重要で、最高純度の製剤のみを使う必要があります。
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